江成常夫写真展
~昭和史のかたち~
2011.7.23(土)—9.25(日)
- 開催期間:2011年7月23日(土)~9月25日(日)
- 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
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料金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円
- ※各種カード割引あり
( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
1936年に神奈川県に生まれ、毎日新聞東京本社の写真記者を経て、1974年よりフリーランスの写真家として活動する江成常夫。太平洋戦争に翻弄された国内外の人々や遺産を克明に記録し続けることで、日本人の現代史に対する精神性を問い続けてきました。
本展では代表作である「鬼哭の島」、「偽満洲国」、「シャオハイの満洲」に、未発表最新作を含む「ヒロシマ」、「ナガサキ」を加えた112点を出展し、現代日本を生きる私たちの歴史そのものを概観します。
第1部 鬼哭の島
フィリピンのレイテ島、パラオ諸島のペリリュー島、北マリアナ諸島のサイパン島、テニアン島、そして硫黄島、沖縄…。太平洋戦争の惨劇の島を巡り、江成がレンズを通して向かい合った声なき人たちとその情景を描き出します。
第2部 偽満洲国
関東軍が掲げる理想の裏で、おびただしい数の人たちに血と涙を強いながら消滅した「満洲国」。江成は1981年春から15年間にわたって旧満洲(現・中国東北部)の各地を巡り、日中両国民の精神的落差と経てきた時間の事実を描写しました。
「偽満洲国」より 満洲事変の布告文(吉林省歴史博物館) 長春 1989年
第3部 シャオハイの満洲
太平洋戦争末期、数千人の戦争孤児が旧満洲に置き去りにされました。1981年、江成は中国に渡り、人民服を纏いながら自己存在を問う孤児たちと対面。この作品には昭和という人間性不在の光景が深く刻まれています。
「満州国」時代の日本人開拓村 黒竜江省樺南県 1991年
第4部 ヒロシマ
戦争孤児と、孤児を生んだ「満洲」と向き合ったからこそ、その地に立つことができたヒロシマ。この作品は太平洋戦争の因果を明示するとともに、癒えることのない被爆者の痛みを通して、人間の罪の深さを語りかけます。
沼田鈴子(当時21歳) 2009年8月
焼け焦げた「戦時石鹸」 2010年4月
第5部 ナガサキ
医学者・永井隆博士の崇高な心に惹かれ、長崎を撮影してきた江成。消えることのない
被爆者の心と体の傷、被爆地のモノとドロが溶け合った物体。その一つひとつが家族の絆と、繰り返してはならない罪業を訴えかけてきます。
左)谷口稜曄(当時16歳) 2008年7月
右)爆心地市内・松山町の地層 2008年10月
■本展覧会はNHK教育テレビで紹介されました。
番組名:ETV特集 「霊魂を撮る眼~写真家・江成常夫の戦跡巡礼~」
内容:昭和の戦争を独自の切り口で映像化してきた江成常夫の仕事と思想を伝えるドキュメンタリー。
放映日:2011年8月21日(日) 午後10:00~午後11:29 NHK教育
□ 協賛:株式会社ニコン/株式会社ニコンイメージングジャパン/富士フイルム株式会社/株式会社東京アド/株式会社トーシン/光村印刷株式会社
□ 協力:株式会社写真弘社/株式会社フレームマン/株式会社カシマ
関連イベント
- 江成常夫と語る<昭和史のかたち>
- 2011年7月30日(土) 14:00~15:30 終了致しました
2011年8月20日(土) 14:00~15:30 終了致しました
2011年8月27日(土) 14:00~15:30 終了致しました
出品作家の江成常夫氏とゲストをお迎えして連続対談を開催します
7月30日(土) 森村泰昌(美術家) 会場:1階アトリエ (定員70名)
8月20日(土) 梯久美子(ノンフィクション作家) 会場:2階ラウンジ (定員50名)
8月27日(土) 澤地久枝(作家) 会場:1階アトリエ (定員70名)対象:展覧会チケットをお持ちの方
受付:当日10:00より当館1階受付にて整理番号つき入場券を配布します。
開場:13:30~、整理番号順入場、自由席 - 担当学芸員によるフロアレクチャー
- 2011年8月12日(金) 14:00~ 終了致しました
2011年8月26日(金) 14:00~ 終了致しました
2011年9月9日(金) 14:00~ 終了致しました
2011年9月23日(金・祝) 14:00~ 終了致しました
※本展覧会の半券(当日有効)をお持ちの上、会場入り口にお集まりください。
展覧会図録
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江成常夫写真展 昭和史のかたち
展覧会の全出品作品112点と関連テキストを掲載しています。
A4判変形 206ページ 発行:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
■音声ガイドのご紹介
写真家・江成常夫ご本人が、皆さまをお迎えします。
選りすぐりの作品5点について語ります。
40年来、追い続けてきたテーマとは
撮影に至るまでの知られざるエピソード
撮影の瞬間、作家の胸に迫った思いとは・・・
さらに、ベテランナレーターが作品解説をお届けます。
写真家本人のナビゲートによる、貴重な鑑賞体験をぜひ!
<音声ガイド概要>
【ナレーター】 江成常夫(写真家)、藤村紀子(ナレーター)
【監修】 江成常夫、東京都写真美術館
【ガイド点数】 16点
【所要時間】 約25分
【貸出価格】 500円(税込)
【企画・制作】 東京都写真美術館、㈱A&Dオーディオガイド