本日は開館しております(10:00-20:00)

《家族全員でトラクターに乗って、チリ、サンチャゴ郊外》 1976年 田沼武能写真事務所蔵
B1F 展示室

田沼武能 人間讃歌

2023.6.27.30

  • 開催期間:2023年6月2日7月30日
  • 休館日:毎週月曜日(ただし7/17[月・祝]は開館、翌7/18[火]休館)
  • 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円  ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金 / 小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、年間パスポートご提示者は無料/第3水曜日は65歳以上無料/ 7月20日(木)- 7月28日(金)の木・金17:00-21:00はサマーナイトミュージアム割引(学生・中高生無料/一般・65歳以上は団体料金)※各種割引の併用はできません。

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私は写真家になってから、人間のすばらしさを発見したい夢にかられて、 世界中を駆け回ってきたのかもしれない。『人間万歳』より 2000年

田沼武能は、東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)卒業後、写真家・木村伊兵衛に師事し、『芸術新潮』の嘱託写真家として芸術家や文化人を撮影、その後はタイム・ライフ社の契約写真家となるなど、フォトジャーナリズムの世界で華々しい活躍を展開しました。1972年からはライフワークとして世界の子どもたちを撮影、黒柳徹子ユニセフ親善 大使の各国訪問に私費で同行取材を行い、生涯で130を超える国と地域に足を運びました。

田沼は国内外で精力的な取材活動を展開し、自身の作品を発表し続け、その旺盛な 好奇心と行動力は生涯衰えることはありませんでした。その一方で、母校・東京工芸大 学で後進の指導にあたり、日本写真家協会会長、日本写真著作権協会会長、日本写真保存センター代表など写真界の要職を歴任しながら、わが国の写真文化の普及啓発、写真の著作権保護にも力を注ぐなど、大きな役割を果たしました。本展では未発表最新作「武蔵野」を初公開するとともに、ヒューマニスティックなまなざしで人間のドラマを描き続 けてきた田沼の70年を超える写真家としての軌跡を辿ります。

第1章 | 戦後の子供たち
自身も思春期を戦時下で過ごし、東京大空襲で凄惨な経験をした若き日の田沼は、 生まれ育った下町で終戦後の東京で生きる子供たちの姿を活写しました。生き生きとした子供たちの姿と、彼らが映す今は失われた昭和の日本の姿を伝えます。


《神輿をかつぐ少女たち、浅草》 1955年 東京都写真美術館蔵


《紙芝居はいつも次の日の展開が楽しみだ、佃島》 1955年 東京都写真美術館蔵

第2章 | 人間万歳
何よりも人間の「生きる姿」に興味を持った田沼は、生涯のライフワークとして世界の 子供たちをはじめ、世界の人々の写真を撮影することに注力しました。田沼を魅了してやまなかった世界の子供たち、世界の人々のまなざしに触れます。


《聖母巡礼の祝祭に夜を徹して踊りあかす人びと、スペイン、アンドゥハル》 1975年 田沼武能写真事務所蔵


《子どもロデオ大会に出場する少女、 アメリカ、デンバー》 1976年 田沼武能写真事務所蔵


《コカの葉をかむインディオの男、ペルー、プーノ地方》 1978年 田沼武能写真事務所蔵


《板に書かれたコーランで勉強、モーリタニア》 1997年 田沼武能写真事務所蔵

第3章 | ふるさと武蔵野
東京の下町に育った田沼にとって、心象風景としての「ふるさと」のイメージそのものだった「武蔵野」。戦後の高度経済成長の陰で急速に姿を変えようとしていた日本の原風景に目を凝らし、生涯にわたり撮影を続けた「武蔵野」を紹介します。


《若宮橋の川遊び、坂戸市厚川》 2015年7月 田沼武能写真事務所蔵


《鳳凰の舞、西多摩郡日の出町平井、春日神社》2016年9月 田沼武能写真事務所蔵



撮影:橋本 英男

田沼 武能 |Tanuma Takeyoshi
東京・浅草生まれ。1949年にサン・ニュース・フォトスに入社後木村伊兵衛に師事。1966年、アメリカの タイム・ライフ社と契約。ライフワークとして世界の子どもたち、人間のドラマ、武蔵野や文士・芸術家 の肖像を撮り続けた。1995年から2015年まで日本写真家協会会長を務める。同年、東京工芸大学教授に就任(2004年より名誉教授)。1979年モービル児童文学賞、1985年菊池寛賞等を受賞。1990年紫綬褒章、2002年勲三等瑞宝章を受章、2003年文化功労者に顕彰され、2019年に写真家初の文化勲章を受章。2020年朝日賞特別賞を受賞。

※事業は諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。

主 催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、朝日新聞社
特別協賛|キヤノンマーケティングジャパン(株)、東京工芸大学
協 賛|東京都写真美術館支援会員
協 力|(公社)日本写真家協会、(公社)日本写真協会、全日本写真連盟、(一社)日本写真著作権協会

関連イベント

講演会「田沼武能を語る」
2023年7月8日(土) 14:00~(開場13:45)  終了致しました
講 師|熊谷博人(装丁家)、多田亞生(編集者)、田沼敦子(田沼武能夫人)
会 場|東京都写真美術館 1階ホール
参加費|無料
定 員|190名(当日先着順)
※当日12時より1階総合受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。 
※当日10時より1階総合受付にて整理券を配布します。※配布開始時刻が変更になりました。
※整理券はお一人様2枚までとさせていただきます。
担当学芸員によるギャラリートーク
2023年6月9日(金) 14:00~  終了致しました
会 場|東京都写真美術館 地下1階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「田沼武能 人間讃歌」展チケットまたは展覧会無料対象の方は各種証明書等をご持参の上、地下1階展示室入口にお集まりください。
担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付き)
2023年7月14日(金) 14:00~  終了致しました
担当学芸員によるギャラリートークを手話通訳付きで行います。どなたでもご参加いただけます。
会 場|東京都写真美術館 地下1階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「田沼武能 人間讃歌」展チケットまたは展覧会無料対象の方は各種証明書等をご持参の上、地下1階展示室入口にお集まりください。

展覧会図録

田沼武能 人間讃歌
本展出品作品図版を全点収録、関次和子(東京都写真美術館学芸員)による論考など。 体裁:250×250mm、240ページ 発行元:東京都写真美術館 価格:3,100円(税込)

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